ワイヤレスディスプレイでタッチ操作可能。Miracast UIBCとは?
おはようございます。
先日MicrosoftのSurface Hubを触る機会がありました。
Surface Hubとは、電子黒板にカテゴライズされる製品です。乱暴に言うと、大きなタッチパネルディスプレイがついたPCです。
Surface Hubには、Miracastのレシーバー機能を持っています。試しに手持ちのPCから、MiracastでSurface Hubに接続したところ、下記のような画面が表れました。
このデバイスからのマウス、キーボード、タッチ、ペン入力を許可する
このチェックボックス何だろうと思い、調べてみました。
「このデバイスからのマウス、キーボード、タッチ、ペン入力を許可する」にチェックを入れるとどうなるか?
試しにチェックを入れてみました。
すると
Surface Hubのタッチパネルをタッチすると、Miracastで画面を送信している側のPCを、操作することができるようになりました。
チェックボックスの説明で書いてある通りですね。
Surface Hubを単なるディスプレイだけでなく、タッチパネルディスプレイとしても使えるようになったようです。
それだけであるのですが、私はちょっとこの動作意外に思えました。
これまで、Miracastは送信側のデバイスから、ディスプレイ等の受信側のデバイスに映像を送るだけの規格だけだと思っていました。つまり、送信側から受信側に一方向にデータを送る規格だと考えていました。
対してタッチパネルの動作は、映像の受信側から送信側にデータを送ります。すなわちタッチパネルが有効ということは、 映像の送信側、受信側で双方向通信をしていることになります。
このMiracast経由によるタッチパネル制御を調べたところ、UIBC(User Input Back Channel)という規格を使っているようです。
Miracast UIBCとは?
Miracast経由でタッチパネル制御を行うUIBC(User Input Back Channel)ですが、Miracastのオプションの規格となっているようです。
もともとMiracastは、Wi-Fi Direct上で映像を送信する規格として策定されました。
ですがWi-Fi Directは、双方向のデータ通信が可能です。このWi-Fi Directの仕組みを使って、タッチパネル等の入力信号をPC側にフィードバック可能にしたものが、UIBCのようです。
またタッチパネルだけでなく、USBのHIDデバイス相当であればUIBCで通信が可能のようです。
リモートデスクトップだと、手元のPCのキーボードやマウス入力を使って、接続先のPCを操作することができます。
Miracast UIBCは、Miracast経由でリモートデスクトップと同じような動作を実現するための規格のようですね。
まとめ
MiracastにはUIBC(User Input Back Channel)というオプションの規格がある。
Miracastの受信側がこの規格に対応している場合、単に映像を映すだけでなく、受信側からタッチパネル等の入力信号をフィードバックすることができます。すなわちUIBCを使うことで、Miracast受信側からPCの操作が可能となります。
最後に今回MiracastのUIBCを調べたのですが、Web上で情報がほとんどありませんでした。またMiracastレシーバーのカタログを見ても、Miracast UIBCの情報を見たことがありませんでした。果たしてこの規格、普及しているのでしょうか?
余談ですが、WindowsでMiracastを使う場合、複製表示だけでなく拡張表示も可能なんですね。